天使憑きの少女 〜 pray for Maria of Magdalene 〜
『人は誰しも、自分の心の内を隠したまま生きていくことはできません』――。マグダラのマリア、医療ミス、天使の降臨、臓器移植……四章から成る、少女の『願い』と『奇跡』の物語。
――第一章 “浦上真理愛”はミッションスクールに通う学生である。母と二人で慎ましくも幸せに暮らしていたが、その最愛の母を医療ミスで亡くしてしまう。彼女に残されたのは情け程度の金とただ一つの思いだけ…。 『お母さんの無念を晴らすため、手術を執り行った医師を殺したい』 悩んだ末、彼女は保健室の扉を開き、養護教諭にその思いを打ち明ける。養護教諭“秋山美帆”は真理愛を咎めることなく、ただ怪しげに笑って彼女に意外なモノを与えた。それは、不気味に黒光りする、拳銃――。 ――第二章 7年前の交通事故で死亡した“江藤睦美”は、浮遊霊となり気ままな暮らしを楽しんでいた。しかし、天使を名乗る少女が彼女を天国につれに来る。現世に居られるのは7年間だけだったのだ。しかし彼女には気がかりなことがあった…… ――第三章 城心学園の文化祭が終わり、学内に日常が戻ってきた頃。主人公の“緒方輝明”は、学生会長である“相葉絵里香”から次期会長の人選について相談を受けた。現段階で立候補を表明している者の中では絵里香のお眼鏡にかなう者はおらず、これからの学生会の運営に不安を抱いていたが、輝明も全く心当たりがない。すっかり困り果てたところに、友人から一人の女子を紹介される。それは――。 ――――そして第四章、幕間へ……
物語は、四章仕立てのオムニバスストーリーとして進行する。 それぞれに共通するテーマは各登場人物が抱く『願い』と、それに関係する『奇跡』。プレイを進めていくうちに、この作品の大きな仕掛けにプレイヤーが気がついていくような仕組みになっている。宗教色や臓器移植など相当にヘビーなテーマを扱っていて、それ自体がこの作品の醍醐味といえる。しかし同時に、ヒロインの苦悩する姿や希望を祈るまなざしに深い共感と愛らしさを感じることができるのも魅力となっている。シビアな問題に切り込めるだけのシナリオのセンスは秀逸で、その目で体験する価値がある。 キャラクター紹介
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[ Nail ]
PCゲーム